管財事件の財産処分について「破産管財人」

管財事件の財産処分について「破産管財人」

管財事件の財産処分について「破産管財人」

今日は「破産管財人」ということについて説明をしたいと思います。たとえば、個人でお店を経営されている方が自己破産をした場合、商品の販売や売掛金の回収などを続けることはできなくなって、代わりに破産管財人がこういったことを行うということになります。

 

個人で商売されていたような方が破産をすると原則として財産を管理、処分する権利は破産管財人に移転し、破産者は自らお店の財産を管理、処分する権利を失ってしまいます。

 

この破産管財人とは破産手続きにおいて財産の管理、処分をする権限を有する者で、この破産管財人は債権者への公正、公平な財産の配当を円滑に実現するために裁判所から任命されるものであって、破産者の代理人ではありません。

 

破産管財人には弁護士が選任されることが多く、この破産管財人の報酬は破産者の財産の中から支払われるということになります。この破産管財人の職務には破産者の財産を調査し、管理し、あるいはその売却などによって換価、すなわちお金に換えるということ、それから債権者の範囲、あるいは債権額を確定して債権者への配当をするといったようなことがあります。

 

破産者がお店を自分で経営していたような場合、破産管財人が店舗などの管理を始め、売掛金や貸付金などの回収を行うということになります。

 

破産管財人は裁判所に対して破産手続き開始に至った事情や破産者の財産の管理、処分などの事項を報告いたします。破産管財人と債務者の関係についてご説明しますと、債務者が法律上の支払い義務を免れるためには裁判所による免責決定を受ける必要があります。債務者は破産管財人に対して破産に関して必要な説明をする必要があります。

 

破産管財人が行う免責についての調査の際に債務者が説明を拒んだり、あるいは虚偽の説明をすると免責が認められないということにもなりかねません。また、破産者宛ての郵便物は破産管財人宛てに郵送されることになります。

 

破産手続きに関する同時廃止について

破産手続きに関する同時廃止ということについて、ご説明をしたいと思います。 

 

ご質問としては、「わたくしは、消費者金融などからの借り入れが増えてしまったので、自己破産を考えております。財産は預金が10万円程度しかありませんけれども、自己破産の手続き、これは結構大変なものになるんでしょうか。」といったようなご質問です。

 

破産を申し立てる時に、おおむね50万円を超える財産、これは現金や預金、生命保険の解約返戻金や自動車、あるいは退職金債権の8分の1相当額の合計ということになりますが、こういったものがなければ、破産手続開始の決定と同時に破産手続きを終了するという同時廃止といった決定がなされることがあります。

 

この同時廃止では、通常の破産手続きのように破産管財人の選任や、これによる財産の調査というものが行われませんので、手続きが非常に迅速に進みます。同時廃止の決定後、免責決定を受ければ、法律上の支払い義務を免れることができます。

 

破産手続きでは、この同時廃止という手続きで破産手続きを進めることができないかどうか、これをまず検討することになりますので、こういったことについて、専門家にご相談することがベストです。 

 

同時廃止というのは、破産を申し立てた人の財産が、破産手続きの費用を支払うに足りる、つまり、破産管財人の費用、これを支払うのに不足する、足りないといったような場合に、破産手続開始の決定と同時に破産手続きを終了すると、こういったことをいいます。

 

通常の破産手続きでは、裁判所が破産手続開始決定と同時に、破産管財人を選任し、この破産管財人が、破産者の財産を管理、そして処分するということになります。

 

しかし同時廃止では、通常の破産手続きのように清算すべき財産がないということが明らかですので、破産管財人が選任されず、財産の調査等も行われません。で、この同時廃止の手続きを行うには、以下のような流れになります。

 

まず、債務者から弁護士に、預金あるいは現金、不動産、生命保険の解約返戻金、退職金の見込み額、自動車などの財産について、十分ご説明いただく必要があります。これは、同時廃止の決定を受けることができるかどうかなどを検討するために必要なことです。破産を申し立てる時に、50万程度の財産がなければ、この同時廃止の決定を受けられるという可能性が出てきます。

 

ただ、財産が少なくても、法律上の支払い義務を免除される免責を受けられない可能性がある場合、例えば賭博をしていたとか、浪費をしていたとか、そういったことが疑われる場合、あるいは個人事業を営んでいる、あるいは営んでいたといったような場合には、同時廃止が認められないことがあります。

 

次に、ご依頼を受けた弁護士が破産手続きの申し立てを裁判所に対して行います。で、さらにこれを受けて、裁判所が、破産手続き開始決定と同時に破産手続きの廃止の決定をするとともに、破産手続き開始のあったことを公告し、破産者に通知をします。ただ、債権者などが破産手続きの費用を予納することによって、この同時廃止が認められないということはありえます。

 

最後に、同時廃止の効果ですけれども、この同時廃止決定が出れば、破産管財人の選任は行われず、債権調査や財産調査は行われないということになりますし、それから、当然、破産管財人がいないわけですから、皆さまが破産管財人に対するいろんな説明ですとか、そういったことをするということは必要はないということになります。

 

なお、債務者が法律上の支払い義務の免除を受けるためには、その後に免責決定を受ける必要があります。この免責決定を受けて、これが確定すれば、原則として全ての債務は免除されて、皆さま方が新しいスタートを切るということができるということになります。